歯科に関するトピックを紹介します

虫歯になりやすい人2

子供に比べて大人は虫歯になりにくいことをご存知でしょうか。

 

大人の歯は硬いので、酸に溶けにくいというのも理由の1つです。
それ以上に、生活習慣も深くかかわっています。

 

虫歯の原因のミュータンス菌は砂糖を餌にしてバイオフィルムを作るので、甘いお菓子が好きな子供のほうが大人よりも虫歯になるリスクが高いとういことはいえます。
もし、時間も決めずに食べたいときに甘いお菓子を食べていると、常にミュータンス菌の餌があるという状態になるので、虫歯になるリスクは高くなります。

 

食べる時間を決めて、それ以外はしっかり歯を磨くという習慣を身につけておけば、子供の虫歯を抑えることができます。
常に身近にお菓子があり、好きなときに食べられるという環境を是正することが大人の役割です。

 

虫歯は歯がなければかからないので、逆に考えると子供は歯が生えるときに虫歯になりやすいということになります。
乳歯は柔らかいので、強力な酸の前にはひとたまりもなく歯が溶けていきます。

 

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虫歯になりやすい人1

熱心に歯を磨くわけではないのに、虫歯になりにくい人がいます。

 

生まれつき歯が硬くて、虫歯菌でも容易に溶かされない歯の持ち主というのもごく少数ながらいらっしゃるので、そういう人は虫歯になりにくいのです。

 

あるいは、たまたま運よくミュータンス菌に感染しなかったか、数が少なくて影響力を行使できるほどではないという人も虫歯になりにくいでしょう。
きわめてまれですが、餌となる砂糖の摂取が極端に少ない人も虫歯とは無縁で生きられます。

 

ミュータンス菌は砂糖を餌として不溶性のグルカンというネバネバしたものを作り、歯の表面にくっついてバイオフィルムを作り、その中で歯を溶かしていきます。つまり、ミュータンス菌がいても砂糖がないと活発には活動はできません。

 

虫歯になりたくなければ、バイオフィルムを作らせないか、できてしまったらブラシでよく落とすことです。

 

もし、バイオフィルムが形成されると、唾液はもちろんのこと抗菌剤もその中には入っていくことができませんので、膜の下でミュータンス菌は増殖して、酸を出し続けます。
菌のバイオフィルムである歯垢は、その8割が細菌で残りも細菌に関連した組織物であるといわれます。
ちなみに、歯の根元などにつく歯石は、細菌の死骸が石灰化したもので、2週間ほどで形成されます。

 

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乳酸も虫歯を進行させる2

口の中では数多くの細菌がそれぞれ村を作って生息しています。

 

お互いに干渉しないように、自分のテリトリーを守ってバランスを取っているのですが、何か1つの細菌が勢力を拡大してしまうと他の細菌は住みにくくなります。

 

つまりミュータンス菌が勢力拡大をすると、他の菌は隅っこに追いやられてしまうのですが、乳酸桿菌は自身が酸に強いのでミュータンス菌と一緒になって虫歯を作る手伝いをしてしまうことになるのです。
乳酸桿菌はよい細菌として知られているのに、身体に害を与える細菌になって虫歯を促進する手助けをするようになります。

 

これがバイオフィルムの中で、行われているのです。
菌のバイオフィルムは、歯垢と呼ばれ、主に歯と歯の間にある白っぽい粘り気のあるものがそれです。

 

バイオフィルムをそのままにしておくと虫歯がますます進行するので、しっかり歯ブラシで取り去る必要があります。
歯を磨くというのは、歯の表面だけではなく虫歯の原因の細菌を排除する気持ちでやらなければ意味がありません。

 

歯のバイオフィルムを取り去ることができれば、傷ついたエナメル質が再石灰化されて修復が可能になります。
丁寧な歯磨きが、虫歯の不安と苦痛から解放される唯一の方法なのです。

 

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乳酸も虫歯を進行させる1

虫歯の原因はミュータンス菌ですが、これ以外にも乳酸桿菌という繭玉(まゆだま)のような形をした細菌もかかわっていることがわかっています。

 

乳酸桿菌はおなじみの乳酸を作る乳酸菌の仲間で、通常は口の中や腸の中、女性の膣の中などにいます。
乳酸菌は腸の中で悪い細菌と戦う、良い菌として知られています。当然乳酸桿菌も、通常状態では乳酸を作り出す良い細菌です。

 

口の中にいるときにはふわふわ漂っていますが、ミュータンス菌と出会うとその表面にくっついて、一緒に乳酸という酸を出すようになります。

 

本来乳酸菌は粘膜の表面にいて、乳酸を出すことでその場所を弱酸性にして病原体などの悪い細菌が増えるのを予防しています。
皮膚の表面や粘膜は、中性よりも弱酸性のほうが病原体の体内侵入を防ぐことができます。

 

多くの細菌は酸に弱く、乳酸菌飲料が健康飲料として長く飲まれているのはそのためです。
皮膚や粘膜の表面が弱酸性ならば病原体を防御する作用を果たしますが、特定の場所で大量に乳酸が出てしまうと弱酸性から一気に弱酸性に傾きます。

 

歯の表面が強酸性になってしまったらエナメル質は溶け出し、ミュータンス菌と一緒になり虫歯を進行させるのです。
普通の細菌は強酸性では生きられませんが、乳酸桿菌は充分に生きられるので、ミュータンス菌の作った酸の中で、一緒になって砂糖を餌に酸を出して歯を溶かすのです。

 

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バイオフィルムの脅威2

バイオフィルムの中でミュータンス菌は酸を作り、それらは膜の外には出ないで歯の表面のエナメル質を溶かし始めます。
この状態が進行すると虫歯へ一直線につきすすみます。

 

アメリカのカイス教授が、虫歯にかかる因子を3つ挙げています。

 

まず、歯牙があること。歯がなければ虫歯はできません。
2番目は、細菌があること。そして3番目が細菌の栄養となる糖分があることです。

 

この3つの条件が揃うことで虫歯になります。
これは「カイスの輪」と呼ばれており、近年はこれに時間を加えた4つの要素の考え方が主流になっています。

 

細菌が増えるためには、糖分を分解してエネルギーを得なければなりません。
これには一定の時間がかかるということで、4番目の要素として時間を加えるようになっているのです。
歯ブラシで歯垢を完全に除去できたとすると、ふたたび増殖してバイオフィルムを形成するのに、24時間程度かかることがわかってきています。

 

できるだけすばやく、丁寧に歯ブラシなどでバイオフィルムを取り去りますと、エナメル質は再石灰化を開始して自力で歯の表面を修繕することができます。
被害を受けているのがエナメル質の段階ならば、十分補修が可能なのです。

 

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