虫歯の原因はミュータンス菌ですが、これ以外にも乳酸桿菌という繭玉(まゆだま)のような形をした細菌もかかわっていることがわかっています。
乳酸桿菌はおなじみの乳酸を作る乳酸菌の仲間で、通常は口の中や腸の中、女性の膣の中などにいます。
乳酸菌は腸の中で悪い細菌と戦う、良い菌として知られています。当然乳酸桿菌も、通常状態では乳酸を作り出す良い細菌です。
口の中にいるときにはふわふわ漂っていますが、ミュータンス菌と出会うとその表面にくっついて、一緒に乳酸という酸を出すようになります。
本来乳酸菌は粘膜の表面にいて、乳酸を出すことでその場所を弱酸性にして病原体などの悪い細菌が増えるのを予防しています。
皮膚の表面や粘膜は、中性よりも弱酸性のほうが病原体の体内侵入を防ぐことができます。
多くの細菌は酸に弱く、乳酸菌飲料が健康飲料として長く飲まれているのはそのためです。
皮膚や粘膜の表面が弱酸性ならば病原体を防御する作用を果たしますが、特定の場所で大量に乳酸が出てしまうと弱酸性から一気に弱酸性に傾きます。
歯の表面が強酸性になってしまったらエナメル質は溶け出し、ミュータンス菌と一緒になり虫歯を進行させるのです。
普通の細菌は強酸性では生きられませんが、乳酸桿菌は充分に生きられるので、ミュータンス菌の作った酸の中で、一緒になって砂糖を餌に酸を出して歯を溶かすのです。
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