ほぼ100年近く経った1970年代のこと、虫歯に直接関係のある菌が突き止められました。
ストレプトコッカス・ミュータンス(ミュータンスレンサ球菌)がそれです。ほんの30数年前のことです。
エジプトのミイラの頭蓋骨には、虫歯や治療の痕跡が見つかっています。
人類は大昔から虫歯に悩まされていましたが、その原因が細菌であるとわかり、しかも菌が特定されるまでにずいぶん長い時間がかかりました。5000年近い年月、人間は原因もわからないままに虫歯に悩まされ、見えない敵と戦ってきたのです。
歯は堅固な城壁に守られています。表面に見えているエナメル質という丈夫な帽子の部分と、歯が埋まっている歯肉と歯を支える骨に取り囲まれて、歯はがっちりガードされています。
鉄壁な守りなので、絶対に大丈夫だろうと油断をしていると、いつの間にかエナメル質の一部が溶け出して、虫歯になっています。
きちんと歯を磨いているのにおかしいな、と思うこともあるかもしれませんが、歯磨きは適正な場所を、正しく磨かなければ効果がありません。
歯を磨くというのは、歯の表面にブラシをかけることではなく、ましてや食べかすを除去するために行うのではありません。
もちろん、食べかすが残っているのは困りますが、大切なのは歯と歯の間や歯と歯肉の境目に生息している細菌を取り去ることです。
そこがしっかり磨かれて、細菌がいなくならなければ目的は果たせません。歯を磨いたとしても、虫歯になってしまうのです。
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